概要
SHOPLINE は独立店舗向けのホスティング型 EC SaaS です。2013 年に香港で創業し、現在の本社はシンガポール。テーマ、チェックアウト、多通貨、地域の決済コネクタ、物流レイヤーが一つの管理画面に入っており、Shopify のアプリを一から組まずに DTC サイトを持てます。公式情報では累計 60 万以上のマーチャント、約 2,000 人規模で、シンガポール、大中華圏、日本、東南アジア、英国、米国に拠点があります。
越境セラーにとってこれは店頭レイヤーであり、モールの出品管理画面ではありません。日本、東南アジア、欧米向けのブランドサイトを開きたいチーム、とくに中国語での導入・カスタマーサクセスを求める運営向きです。SHOPLINE Markets、言語パック、市場別価格、現地決済が、汎用的な欧米系ビルダーとの違いです。
Amazon、Shopee、TikTok Shop の代替にはなりません。在庫は ERP に残し、SHOPLINE はカタログ、決済、計測ピクセルを担当します。アプリ数は Shopify より少ないため、必要な決済、物流、税、広告連携を移管前に確認してください。
主な機能と強み
ストアフロント、テーマ、チェックアウト
ホスト型ストアにはテーマ、ビジュアルページビルダー、ブログ、SSL、設定可能なチェックアウトが含まれ、自前サーバーは不要です。中国語チームには Shopify の英語優先 UI より国内 SaaS に近い、と感じられることが多く、商品文、送料、返金ポリシーを同時に直す局面で効きます。テーマとチェックアウトの深さは Shopify のテーマ生態系に及びません。大きくカスタムするなら、広告を新ドメインへ流す前にテストテーマで検証してください。
市場別の言語、通貨、価格
SHOPLINE Markets が越境の中核です。同じカタログから市場ごとに言語、通貨表示、地域価格、位置情報リダイレクトを設定できます。公式プロダクトページは 35 以上の言語、150 以上の表示通貨、端数処理と為替コントロールをうたいます。言語パックは全プラン無制限ではなく、日本の公開比較ではカスタム翻訳言語数がプランごとに 2 / 7 / 10 / 無制限と上限があります。機械翻訳の商品名は下訳です。日本語やドイツ語の品名は、広告前にネイティブ確認が必要です。
決済と物流コネクタ
SHOPLINE Payments と第三者ゲートウェイでカード、Apple Pay、Google Pay、PayPal、地域決済(グローバル製品ページは Klarna、iDEAL などを例示)に対応します。SHOPLINE Payments を使わない場合は取引手数料がかかり、中国向け料金表ではプラン別に第三者レートが並びます。OneShip などの物流連携は予約と追跡に使え、中国発の最初の DTC 出荷には便利ですが、フル 3PL ではありません。実際に送る国の関税、HS コード、キャリアカバレッジは市場ごとに確認してください。
マーケティング、ピクセル、小さめのアプリストア
ネイティブ機能は割引、カゴ落ち回収、顧客セグメント、広告ピクセル(上位プランでは Meta CAPI)をカバーします。エンタープライズ向け資料は 60 以上のネイティブアプリを追加料金なしと書きますが、Shopify の公開アプリストアより大幅に少ないです。特定のレビュー、定期購入、翻訳アプリに依存するなら、先に SHOPLINE のアプリストアを検索してください。Weglot や Klaviyo 系は、店舗の外に置く前提になりがちです。
対応プラットフォーム
SHOPLINE 自体が独立店舗です。Amazon や Shopee のセラーセントラルではありません。よくある接続は次のとおりです。
- 独自ドメイン、市場別ドメインやサブフォルダを持つストアフロント
- ソーシャル/ライブコマース:Facebook、Instagram、TikTok、LINE、WhatsApp(市場により提供範囲が異なる)
- 決済:SHOPLINE Payments、PayPal、Apple Pay、Google Pay、地域ゲートウェイ
- 物流:OneShip とキャリア予約。上位プランでは API 経由の ERP/OMS
- 一部地域では有償アドオンのリテール POS
モール出品は Amazon、Shopee、Lazada、TikTok Shop に残します。在庫同期は ERP 側で行い、SHOPLINE を全チャネルの唯一のマスターにしないでください。
向いている使い方
個人・少人数チーム:モールから出てブランド URL が欲しく、中国語サポートと 14 日間トライアルが必要な場合。Starter はカタログとピクセルの試験用で、複雑な B2B 価格表向きではありません。
中小ブランド:運営が中国またはアジアにあり、日本、東南アジア、米欧の自社サイトを狙う場合。市場設定、現地決済、中国向け営業でよく付くカスタマーサクセスが、安価なテンプレートホストより選ぶ理由です。
大企業:複数店舗、API、見積プランが必要なら Enterprise。公式は最大 10 のオンラインストアと 60 以上の同梱アプリに触れますが、契約書で確認してください。
向かない人:すでに Shopify アプリ生態系に深く入っている、高度にカスタムしたチェックアウトが必要、モールだけで DTC サイトが不要なチーム。
具体例:広東の 3C ブランドが米国と日本の DTC を開く。中国語管理画面でカタログを作り、Markets で USD と JPY を設定し、PayPal とカードを接続、最初の 50 件を OneShip で発送し、Meta/Google ピクセルを店舗から飛ばす。Amazon FBA 在庫は ERP に残す。
料金とコスパ
プランは Starter、Essential、Premium、Enterprise です。表示価格は地域ごとに違うので、課金される国のページを開いてください。
中国サイト(shoplineapp.cn/pricing、2026-08-17 確認):Starter 月額 $29(第三者取引手数料 2%、スタッフ 5)、Essential 月額 $79(0.8%、35)、Premium 月額 $269(0.4%、100)、Enterprise は個別見積。年払いは約 17% オフ(Starter は月換算約 $24)と案内されています。Oceanpay 利用者は同ページの 2025-08-18 以降の料率注記を読んでください。
日本サイト(jp.shopline.com/pricing、2026-08-21 確認):Starter 月額 ¥4,840、Essential 月額 ¥13,090、Premium 月額 ¥44,440、Enterprise は個別、年払いは約 16% オフ。オーストラリアは豪ドル建ての別表(AU ページの Starter は月額 AUD$49)です。
公開ページはいずれも 14 日間の無料トライアル です。見落としやすいコストは、SHOPLINE Payments を使わない取引手数料、有償言語パック、POS、Multichannel Connect などのアプリです。一地域だけのブログ価格で予算を組まないでください。
ユーザー評価
中国語のセラーメディア(Yuguo 系の Shopify 対 SHOPLINE 比較など)はほぼ同じ整理です。SHOPLINE は中国語運用、現地決済、研修に強く、Shopify はアプリ数、チェックアウトの完成度、英語ドキュメントで勝つ。英語 Reddit の議論は薄く、r/ShoplinePlatform はあるものの大規模なセラーフォーラムではありません。ベンダー自身の「90 日移行」記事は独立証拠にしないでください。
比較記事で繰り返される不満(創作した引用ではない)は、Shopify よりアプリが少ない、欧米チェックアウトの公開事例が少ない、地域別手数料を見落としやすい、です。プラス面は中国語のカスタマーサクセスと導入で、中国側チームが残る主因でもあります。
競合比較
Shopify は欧米の独立店舗のデフォルトです。アプリストアが大きく、公開プレイブックが多く、米欧の代理店に馴染みがあります。SHOPLINE は中国語管理画面、決済・物流の同梱、初日にアプリを五つ買わなくてよい点で対抗します。
Shoplazza など中国発のビルダーも「中国セラー向け Shopify」枠にいます。スローガンではなくアプリ一覧と決済主体を比べてください。Amazon はストアビルダーではなく、需要を取るモールです。SHOPLINE サイトは FBA の代替ではなく、横に置くブランド URL とチェックアウトです。
代替ツール
- Weglot:すでに Shopify 等の店舗があり、プラットフォームではなく言語だけが足りない場合の翻訳レイヤー。
- Klaviyo:店舗公開後のメールと SMS。店頭そのものではない。
- Amazon:モール需要と FBA。DTC チェックアウトの代替ではない。
注意点・弱み
アプリ数が構造的な制約です。開発チームがいる場合、チェックアウトとテーマのカスタムは Shopify に劣ります。価格、取引手数料、スタッフ上限は国ごとに違い、中国担当の見積は日本やオーストラリアの請求と一致しません。一部の言語パックは有償です。SHOPLINE はモールの出品ページを翻訳しません。英語のみのチーム向けサポート品質は、中国語マーチャント向けほど公開情報がありません。
まとめ
アジア側の運営で DTC を立ち上げ/移転し、市場設定・決済・物流を一つの管理画面にまとめ、中国語サポートが欲しいなら SHOPLINE を検討してください。必須アプリがストアに無い、あるいは代理店がすでに Shopify スタックなら、Shopify かモール専業を選んでください。
次の一歩:実際に課金される地域サイトで 14 日間トライアルを開始し、決済を一つ、送料ルールを一つつなぎ、テストテーマで税、言語、ピクセルを確認してから広告を流してください。
データの注記
2026-09-06 に shopline.com(About、Contact、機能、グローバル EC)、shoplineapp.cn/pricing、jp.shopline.com/pricing、ヘルプセンターのプラン記事を再確認。マーチャント数と従業員数は公式発表。2013 年創業は一次情報、日付までの特定は 未確認。グローバルな X アカウントは未確認。メール support@shopline.com は公式お問い合わせページに記載。